ITのチカラで、デジタルビジネスへの変革を。

IT監視製品の昔と今(前編)

#monitoring

こんにちは、マーケティングを担当 真木です。

ITサービスを安定的に提供するためには、システム監視が重要な役割を担っていることはみなさんご理解いただいていると思います。私が社会人になり20年近く経とうとしていますが、新人時代に監視製品の担当をしており、ここ最近も監視サービスの担当をしていることもあり思い入れがある分野です。この20年の間でITシステムを取り巻く環境が大きく変わりつつある中、監視の分野においてもお客様の目的やモチベーション、また監視システムの対象など変わってきたように感じております。そこで今回のブログは自身の体験も踏まえてシステム監視の昔を振り返り、2020年代に求められる監視について2回に分けて書こうと思います。

前編となる本ブログでは2000年代のシステム監視ついて振り返ってみたいと思います。

2000年代のシステム監視について振り返る

先に述べたとおり2000年代に社会人になった私は、IT監視製品のエンジニアをしていました。

その頃監視製品を利用するためには監視ソフトウェアを購入することが一般的で、それはなかなか高額な製品が多かったと思います。他製品に乗り換えようとすると、再度高額なソフトウエアを購入することが必要で予算をどうやって工面したらよいかのお悩みをお客様から聞いたものです。

またソフトウェアで提供されるため、監視サーバを自社で準備する必要がありました。物理的にインストールするサーバーを準備するところから始まり、ソフトウエアのインストール、構築といった作業が必要で、導入前の検証一つとってもそれは同じです。私が当時担当していた監視製品はSolaris OS SPARK上での稼働となるため(後ほどWindows Serverにも対応しました)、SPARKマシンの準備に苦労することも多かったです。SPARKマシンをお持ちでないお客様ですとその準備から始まり、電源確保からラックマウント、OSインストールおよび設定、RAID設定、パーティショニング、ネットワークの設定、ソフトウェアのインストール、冗長化設定等々多くの作業が必要で検証環境を準備するだけでも2か月近くかかった記憶があります。このように監視システムの検証や導入には初期投資が必要となるため、監視システムは誰でも購入できるわけではなく、当時はフリーツールやOSSをご利用されるお客様も少なくはありませんでした。

OSSで監視システムを構築するという選択をされたお客様では、SNMPにてスクリプトをキックし、その実行結果をオープンソース(例えばMRTG)を使ってグラフ化するというやり方をされていることが多かったです。しかしこのやり方では監視対象デバイス数がそれほど多くなければ手動で1つ1つ設定できるのですが、監視対象デバイス数が増えるとこの設定に手間がかかるものです。

2000年代に求められた監視要件

2000年代以前のシステムはいわゆる”クラウド”誕生前で、多くの企業はITインフラ(サーバ、ストレージ、ネットワーク、ソフトウエア等)を資産として自社で保有し、運用していました。(もちろんホスティングサービスを利用したり運用を他社にアウトソースする会社も存在しましたが、インフラ部分の責任は各企業が持つという点については自社で保有、運用するケースと同じだと考えます。)IT機器が誕生して以降コンピューティングスペックはあがってきたとはいえ、ハードウエアのスペックが足りずハードウエアのリソース枯渇があった際にはCPUやメモリ、ディスクを物理的に増設する必要がありました。それらを調達するのに2-3か月はかかることも当たり前のため、インフラのリソースを監視しそれをもとに事前に予測をたてて、それに基づいて予算をたててハードウエアのリソースを追加調達するといった流れでした。またそもそもハードウエアが正常に動いていないとシステムとして正常に稼働できなくなってしまといった点からもハードウエアの監視は重要視されており、従来の監視ツールはこういった環境の中うまれていました。

また当時は情報システム部が管理しているITシステム、つまり社内で利用するITシステムへの提案が多く、ネットワーク監視、リソース監視へのご要望が多くありました。当時主力であった製品もリソース監視、ネットワーク監視をメインとした製品でした。

2010年代はリソース監視、ネットワーク監視、ジョブ監視を統合的に行える製品がでてきた時代でもありました。一定のIPレンジにポーリングをかけ、SNMP System情報を自動で取得し監視対象がネットワーク機器なのかサーバ機器なのかを判別、自動でトポロジマップを作成するようなこともできるようになったのですが、より多くの情報を得るためにはPrivate MIBやスクリプトを準備し手動設定する必要があったので、高価な監視ソフトウエアでもその設定には手間暇がかかっていました。

(表)2000年代の主力監視製品

メーカー

統合監視主軸製品

リソース監視主軸製品

ネットワーク監視主軸製品

IBM

Tivoli

Tivoli NetView

Tivoli NetView

HP

Openview

HP Openview Operations

HP Openview Network Node Manager

BMC Software

BMC Patrol

BMC Patrol

CA

Uni Center

Uni Center TNG

Uni Center TNG

富士通

SystemWalker

Systemwalker Centric Manager

Systemwalker Network Manager

日立

JP1

JP1(ジョブ管理がメジャー)

NNMi(ベースがOpenview)

NEC

WebSAM

WebSAM SystemManager

NetvisorPro

Quest Software

Foglight(DBに主軸)

Micromuse

Netcool/OMNIbus

Freshwater Software

Sitescope

このように2000年代の監視製品は大企業でないと導入が困難な価格で、その利用にあたっては多くの人手、時間がかかるものであり、誰でも簡単に利用できるものではなく、リソース監視、ネットワーク監視、ジョブ管理をメインとした製品が主力でありました。

次回のブログではクラウドが台頭してきた時代のシステム監視がどう変化してきたのかみてみたいと思います。

      Yoshito Maki

      この記事を書いた人

      Yoshito Maki

      マーケティング